仕事

働く女性のキャリアで「ロールモデル」という言葉が時に凶器になる件

 

今日は働くママ、もとい働く女性なら一度は出会ったことのある「ロールモデル」という言葉について考えたいと思っています。

今更思いましたが、女性の場合「ロールモデル」ってよく耳にしますが、働く男性は「ロールモデル」ってほとんど使われないように思います。。。

それだけ、女性の方がライフステージの変化など分岐点が多くて、いろんな人がいる(つまり選択肢が多い)からなんでしょうか!?

 

わたしが遭遇した誤ったロールモデルについてのエピソードを例に考えていきたいと思います。

「ロールモデル」という言葉に苦しめられている方、「ロールモデル」探しをしている方に気づきを与えられたら嬉しいです!

 

女性活躍の時代、わたしも憧れたロールモデルの存在

社会人歴10ウン年の中でロールモデルに出会っていません。

もちろん「○○さんのプレゼン能力すごいな」とか「△△さんの人の心に入り込む能力が私もほしい」とか部分的なことは先輩後輩に関わらず見習いたいと思ったことはありました。尊敬もしていました。

 

しかし、あの人みたいになりたい!とその人そのものを思ったことはありません。

特にロールモデルがいたらよかったのにと思ったのは、長男の育休から復帰した時のこと。

「働くママは職場でも葛藤している!わたしの葛藤と3つの考え方」でも書きましたが、会社で出産第一陣となり、どう時短勤務者として振る舞ったらいいのか迷走していました。

当時は先輩ママ社員にロールモデルがいたら見本となりどんなによかっただろうと心底思っていたのでした。

 

でも、ある時から考えが変わったのです…

そのエピソードとは?具体的に書いて行きます。

働くママは職場でも葛藤している!わたしの葛藤と3つの考え方働くママって本当に大変ですよね。 今日もお疲れ様です。 ここに辿り着いてくださった方もそんな想いで毎日過ごしているはず。 未だにそ...

 

「ロールモデル」が好きではなくなった理由

ずっとロールモデルが欲しかった

自分がどう働くママとしてのキャリアを描いたらいいのかわからなかったから思っていたことでした。

 

でも働くにつれて、「ロールモデル」は厄介な存在でもあると気づいたのです。

自分の身に起きた事ではなく、他部署(営業部)でのエピソードです。(だからこそ冷静に見れた話です)

 

Aさんは若くして出産し、出産後も数ヶ月で復帰しました。復帰してからしばらくはアシスタント業務や内勤営業をしていましたが、そのうち売上目標を持った営業として業務を始めました。

帰宅後もクライアントや社員からの電話・メール対応を家事の合間、子供が寝てからもしていたそうです。

売上もかなり上げており、同じママとして本当にすごいと見ていましたし、他の社員も同じように賞賛していました。

無理をするくらい努力しているのはわたしも同じママとしてわかっていました。

 

一方、同じ部署のBさん。同じくママで出産前は営業をしていた方です。営業アシスタントとして復帰していました。営業フォローから請求周りまで多岐にわたって担当していました。

目標面談でのこと。Bさんは上長から「Aさんみたいに働けないの?」「Aさんができるならできるでしょ?」と指摘されたのでした。

BさんはAさんのことをロールモデルと思っていないのに、上長がBさんにAさんを手本にした動きを指示するのはなかなか手厳しいなと思いました。

 

ママのタイプ、子どもの性格・性別・兄弟構成、祖父母のサポートなどで、出産後もトップスピードで駆け抜けられるか、やれる範囲でやれることをするのか変わってくるのに

 

もちろん、会社という営利を目的とした組織に所属する以上、上長がAさんのような方を求めるのは当たり前です。

ママを取り巻く環境が個々人で異なるなんて知ったこっちゃいません。

 

ただ、この2人は基本給やインセンティブなどお給料の面では大分異なる待遇をつけられていましたし、恐らく社内的な評価もAさんの方が高かったと思います。それだけで十分なのではと。

Bさんは会社の規定内で許された働き方で誠意を尽くしていたのに上長の言葉にはかなりのショックを受けていました。

 

具体的にバイネームで比較されてしまったので強烈に感じたという事もあるとは思いますが、ロールモデルはもはや凶器にしかならないのではと感じたエピソードでした。

 

そもそも「ロールモデル」とは?

ここまで書いてきましたが、改めて「ロールモデル」という言葉の意味について。

コトバンクによると「ロールモデル」とは

「ロールモデル」とは

自分にとって具体的な行動や考え方の模範となる人物のこと

出典:コトバンク

とあります。

なので、他者から「あの人をロールモデルにやってよ」と言われるものではないということなんですね。

 

まとめ

自分の中にロールモデルを設ける分には素敵なこと。目標もより明確になりますし。

でも第三者が使うときには注意が必要!
相手によっては心をギタギタにしてしまうことも。

今回は働くママを例に挙げて書きましたが、多様性が認められつつある社会では色んな方がいます。

成果が伴わない場合の指摘はもちろん必要ですが、職責を果たしている中で相手の価値観への指摘、ましてや強要は問題となりそうです。

ご自身が上司になるときは是非気をつけてくださいね。